お嬢様重奏曲!R
一人残された御言はふと部屋にあるグランドピアノに視線が行った。
ピアノの元へと行くと蓋を開けて、鍵盤を一つ押してみる。すると心地良い音が鳴り、御言は一つ頷いてピアノの前にある椅子に座った。そして何気なく鍵盤の上に指を置き、ピアノを弾き始めた。
音の調律もしっかり完璧に行われていて、ピアノを弾く指も思わず軽やかになっていった。
目を閉じ自分だけの世界に入っている中で、突然ガタガタと言うノイズが耳に入り、御言はピアノを弾く手を止めてドアの方を見た。
「そこで何をしているのかね? 自分の家なのだから堂々としていれば良いではないか」
御言の言葉にドアが申し訳なさそうに開かれ、更にそこから申し訳なさそうに葵が現れた。
「すみません。演奏の邪魔をしてはいけないと、思いまして。それにしても素晴らしい曲でしたね? 聞いた事が無いのですが、曲名はなんですか?」
「曲名は無い。俺のオリジナルでね。実を言えば完成もしていない」
「そ、そうだったんですか。でも素晴らしい曲でした」
「感謝はしておこう。それで、妹との話とやらは済んだのかね?」
「はい…それなんですけど」
御言の言葉に葵は表情を曇らせた。
「渚がどうしても一度、ご挨拶したいと言っているのですが、よろしいですか?」
「君の妹がかね? それならば一向に構わない」
「そうですか。渚、入って良いですよ」
「は〜い!」
御言の了承を得て葵が渚を呼ぶ。そしてドアの向こうから聞こえてきた声には、少し御言には聞き覚えがあった。
そして現れた女の子はついさっき、駅で声をかけられた女の子だったのだ。
「君は確か…駅であったな」
「ふっふ〜ん。お久しぶりだね?」
「二人は知り合いだったのですか?」
二人の様子を見て葵は一人首を傾げていた。
「そんな些細な事、気にしないで紹介してよ」
妹に急かされ葵は慌てて、御言へと視線を向けた。
ピアノの元へと行くと蓋を開けて、鍵盤を一つ押してみる。すると心地良い音が鳴り、御言は一つ頷いてピアノの前にある椅子に座った。そして何気なく鍵盤の上に指を置き、ピアノを弾き始めた。
音の調律もしっかり完璧に行われていて、ピアノを弾く指も思わず軽やかになっていった。
目を閉じ自分だけの世界に入っている中で、突然ガタガタと言うノイズが耳に入り、御言はピアノを弾く手を止めてドアの方を見た。
「そこで何をしているのかね? 自分の家なのだから堂々としていれば良いではないか」
御言の言葉にドアが申し訳なさそうに開かれ、更にそこから申し訳なさそうに葵が現れた。
「すみません。演奏の邪魔をしてはいけないと、思いまして。それにしても素晴らしい曲でしたね? 聞いた事が無いのですが、曲名はなんですか?」
「曲名は無い。俺のオリジナルでね。実を言えば完成もしていない」
「そ、そうだったんですか。でも素晴らしい曲でした」
「感謝はしておこう。それで、妹との話とやらは済んだのかね?」
「はい…それなんですけど」
御言の言葉に葵は表情を曇らせた。
「渚がどうしても一度、ご挨拶したいと言っているのですが、よろしいですか?」
「君の妹がかね? それならば一向に構わない」
「そうですか。渚、入って良いですよ」
「は〜い!」
御言の了承を得て葵が渚を呼ぶ。そしてドアの向こうから聞こえてきた声には、少し御言には聞き覚えがあった。
そして現れた女の子はついさっき、駅で声をかけられた女の子だったのだ。
「君は確か…駅であったな」
「ふっふ〜ん。お久しぶりだね?」
「二人は知り合いだったのですか?」
二人の様子を見て葵は一人首を傾げていた。
「そんな些細な事、気にしないで紹介してよ」
妹に急かされ葵は慌てて、御言へと視線を向けた。