お嬢様重奏曲!R
「何ですか? さっきから私の顔をちらちら見てるけど」
さすがの葵も渚の視線に気付き、問い掛ける。
「だから何でもないってば。なんだか楽しそうにしてるなって思ってさ」
「はい。とても楽しいですよ」
葵は決して照れる様子も無く、素直に答えた。
「ふむ。そんな葵君には済まないが、そろそろ帰る時間なようだな」
御言が腕時計を見ている。確かにもう日が落ち始めていた。
「それではちょっと待ってて下さい。お土産を用意するので」
そう言って葵は部屋を後にした。多分志乃のところへ向かったのだろう。
「ねえ? お兄ちゃん。今のお姉ちゃんはどう思う?」
取り残された渚は、御言の側まで近寄って行った。
「そうだな。素晴らしい女性だとは思うよ。容姿端麗、才色兼備。性格はまあマイペースだが、そこは愛嬌と考えても申し分ないと俺は思う」
「まあ確かにね。妹の私が言うのもあれだけど、まさに完璧だよね。でもそれなら一つ、聞いて良いかな?」
渚の表情が陽気だったのから一変して、真面目なものに変わる。
「お兄ちゃんは、お姉ちゃんの秘密を知ってたりする?」
渚の発言に御言の方眉がピクリと上がる。
「渚君。君が言う葵君の秘密とは、彼女の趣味の事を言っているのかね」
御言の言葉に渚は黙って頷いた。
「そうだな。偶然の成り行きだが、知ってしまったな」
「それでもお姉ちゃんに対する評価は、変わらない?」
「愚問だな。彼女にも言ったが、マンガやアニメは日本が誇る文化の一つだ。それで彼女に対する態度が変わるなど、ありえん」
断言して見せた御言を見て、渚は安心したのかホッと胸を撫で下ろしたのだった。
さすがの葵も渚の視線に気付き、問い掛ける。
「だから何でもないってば。なんだか楽しそうにしてるなって思ってさ」
「はい。とても楽しいですよ」
葵は決して照れる様子も無く、素直に答えた。
「ふむ。そんな葵君には済まないが、そろそろ帰る時間なようだな」
御言が腕時計を見ている。確かにもう日が落ち始めていた。
「それではちょっと待ってて下さい。お土産を用意するので」
そう言って葵は部屋を後にした。多分志乃のところへ向かったのだろう。
「ねえ? お兄ちゃん。今のお姉ちゃんはどう思う?」
取り残された渚は、御言の側まで近寄って行った。
「そうだな。素晴らしい女性だとは思うよ。容姿端麗、才色兼備。性格はまあマイペースだが、そこは愛嬌と考えても申し分ないと俺は思う」
「まあ確かにね。妹の私が言うのもあれだけど、まさに完璧だよね。でもそれなら一つ、聞いて良いかな?」
渚の表情が陽気だったのから一変して、真面目なものに変わる。
「お兄ちゃんは、お姉ちゃんの秘密を知ってたりする?」
渚の発言に御言の方眉がピクリと上がる。
「渚君。君が言う葵君の秘密とは、彼女の趣味の事を言っているのかね」
御言の言葉に渚は黙って頷いた。
「そうだな。偶然の成り行きだが、知ってしまったな」
「それでもお姉ちゃんに対する評価は、変わらない?」
「愚問だな。彼女にも言ったが、マンガやアニメは日本が誇る文化の一つだ。それで彼女に対する態度が変わるなど、ありえん」
断言して見せた御言を見て、渚は安心したのかホッと胸を撫で下ろしたのだった。