お嬢様重奏曲!R
「お待たせしました。御言さん…」
ちょうどそこへ葵がやってきて、葵の動きが止まる。
御言と渚が抱き合っているように見えるのだ。葵の反応は仕方が無い、御言はそう思っていたのだが実際は違った。
「渚。御言さんが優しいからって甘えすぎなんじゃないですか」
「はーい」
予想していた反応と違い少しだけ呆気に取られている御言に、渚は小さな声で伝える。
「お姉ちゃんってこういう事には、超が付くほど鈍感だから」
すぐにぴょこんと離れる渚を見て、御言は微笑んだ。
「なるほど。覚えておこう」
葵一人が理解していないようで、不思議そうに首を傾げていた。
「さて。そろそろ本当に帰るとしよう」
御言が立ち上がると渚は不服そうに、頬を膨らませていた。
「え〜! 今日は泊まっていけば良いじゃん」
「渚。御言さんにも御言さんの都合があるのですから、困らせるような事は言わないの」
「ちぇ〜」
「すみません、御言さん。渚がわがままを言ってしまって」
「いや、構わんよ。人に好意を受けるのは悪い気はしないからな」
「そう言って頂けると助かります。あっこれお土産です。お家に戻ったら食べてください」
「何から何まで済まないね? 葵君」
「いえ。そんな。それじゃ門の方まで送りますね」
それから渚と別れを済ませると、御言と葵は玄関を出て門まで向かって行った。
「今日は本当にありがとうございました」
「なに、礼を言わなくてはならないのは、俺の方だ」
門まで着くと御言は改めて、葵を見つめた。
「それでは、また明日。おやすみ、葵君」
「はい。おやすみなさい。御言さん」
別れの挨拶を済ませ、御言がいなくなるまで見送ると、葵は一人呟いた。
「また明日、か。フフッ」
そうして葵は笑顔で自分も家へと戻って行ったのだった。
ちょうどそこへ葵がやってきて、葵の動きが止まる。
御言と渚が抱き合っているように見えるのだ。葵の反応は仕方が無い、御言はそう思っていたのだが実際は違った。
「渚。御言さんが優しいからって甘えすぎなんじゃないですか」
「はーい」
予想していた反応と違い少しだけ呆気に取られている御言に、渚は小さな声で伝える。
「お姉ちゃんってこういう事には、超が付くほど鈍感だから」
すぐにぴょこんと離れる渚を見て、御言は微笑んだ。
「なるほど。覚えておこう」
葵一人が理解していないようで、不思議そうに首を傾げていた。
「さて。そろそろ本当に帰るとしよう」
御言が立ち上がると渚は不服そうに、頬を膨らませていた。
「え〜! 今日は泊まっていけば良いじゃん」
「渚。御言さんにも御言さんの都合があるのですから、困らせるような事は言わないの」
「ちぇ〜」
「すみません、御言さん。渚がわがままを言ってしまって」
「いや、構わんよ。人に好意を受けるのは悪い気はしないからな」
「そう言って頂けると助かります。あっこれお土産です。お家に戻ったら食べてください」
「何から何まで済まないね? 葵君」
「いえ。そんな。それじゃ門の方まで送りますね」
それから渚と別れを済ませると、御言と葵は玄関を出て門まで向かって行った。
「今日は本当にありがとうございました」
「なに、礼を言わなくてはならないのは、俺の方だ」
門まで着くと御言は改めて、葵を見つめた。
「それでは、また明日。おやすみ、葵君」
「はい。おやすみなさい。御言さん」
別れの挨拶を済ませ、御言がいなくなるまで見送ると、葵は一人呟いた。
「また明日、か。フフッ」
そうして葵は笑顔で自分も家へと戻って行ったのだった。