お嬢様重奏曲!R
「……なぜ俺がこんな事を」
放課後、あれから御言は図書室にいた。図書室と言っても、本が増え続け今は図書館となっていた。
そして今御言はマンガ・アニメコーナーの、前にいた。
豊の頼み事とは今週、新しく入ったクロ〇ゲームと言う野球マンガの、最新巻を確保していてほしい。と言うものだったのだ。
「そんなもの。自分でやれば良いものを」
野球コーナーを探しているうちに、置いているほとんどが木の葉の趣味である事に、御言は思わず頭を抱え込んだ。
「あのハバアめが。己の歳も考えないとは。何をしに学校にいるのだ」
こんな事を言っているが、御言本人もかなり授業をサボっているのだがこれは当然、棚に上げている。
「さて。さっさと用事を済ませて帰るとするか……ん? あれは」
何やら同人誌コーナーの影でコソコソとしているが、そこにいたのは確かに天童葵だった。
「天童君。こんなところで何をしているのかね?」
「ふぇっ?」
完全に不意を突かれたようで、マヌケな返事が返ってきた。
「驚かせてしまったようで、済まないな。しかしあの理事長ババアめが。年甲斐もなく同人誌を図書館に置くとは、エキセントリックにも程があるね? 時に天童君。今しがた君が手にしているのは、フリーダムハーツと見るのだが?」
「ふえっ? ち、違います! それに私は天童葵じゃないですから」
人間、動揺すると周囲が見えなくなるものだ。そしてそれは葵も例外ではない。足元にあった椅子に足を引っ掻け、物の見事にその場に転んでしまったのだ。
「今時、そんな古典的な転び方をする人間がいたとはな。立てるかな?」
御言が見るに見兼ねて手を差し出す。すると葵は瞳に涙を一杯に溜めて、急に立ち上がり全力疾走していったのだ。
「あれって天童さんじゃない?」
「今、泣いてなかったか?」
「おい。あいつ、確か変人の御影御言だぞ」
「…………殺す」
瞬く間に周囲が殺気で満たされ、命の危険を感じ取った御言は弁解を求めるべく、葵を追いかけるため、一足遅れて図書室を後にしたのだった。
放課後、あれから御言は図書室にいた。図書室と言っても、本が増え続け今は図書館となっていた。
そして今御言はマンガ・アニメコーナーの、前にいた。
豊の頼み事とは今週、新しく入ったクロ〇ゲームと言う野球マンガの、最新巻を確保していてほしい。と言うものだったのだ。
「そんなもの。自分でやれば良いものを」
野球コーナーを探しているうちに、置いているほとんどが木の葉の趣味である事に、御言は思わず頭を抱え込んだ。
「あのハバアめが。己の歳も考えないとは。何をしに学校にいるのだ」
こんな事を言っているが、御言本人もかなり授業をサボっているのだがこれは当然、棚に上げている。
「さて。さっさと用事を済ませて帰るとするか……ん? あれは」
何やら同人誌コーナーの影でコソコソとしているが、そこにいたのは確かに天童葵だった。
「天童君。こんなところで何をしているのかね?」
「ふぇっ?」
完全に不意を突かれたようで、マヌケな返事が返ってきた。
「驚かせてしまったようで、済まないな。しかしあの理事長ババアめが。年甲斐もなく同人誌を図書館に置くとは、エキセントリックにも程があるね? 時に天童君。今しがた君が手にしているのは、フリーダムハーツと見るのだが?」
「ふえっ? ち、違います! それに私は天童葵じゃないですから」
人間、動揺すると周囲が見えなくなるものだ。そしてそれは葵も例外ではない。足元にあった椅子に足を引っ掻け、物の見事にその場に転んでしまったのだ。
「今時、そんな古典的な転び方をする人間がいたとはな。立てるかな?」
御言が見るに見兼ねて手を差し出す。すると葵は瞳に涙を一杯に溜めて、急に立ち上がり全力疾走していったのだ。
「あれって天童さんじゃない?」
「今、泣いてなかったか?」
「おい。あいつ、確か変人の御影御言だぞ」
「…………殺す」
瞬く間に周囲が殺気で満たされ、命の危険を感じ取った御言は弁解を求めるべく、葵を追いかけるため、一足遅れて図書室を後にしたのだった。