お嬢様重奏曲!R
「私を馬鹿にしたり、変な目で見たりしないんですか?」
「何故かね?」
「なぜって大概の人はアキバ系のような、趣味には否定的ですから」
葵の言葉に御言はもう一度「…ふむ」と頷き、メガネの位置を直した。
「君がどういう理屈で落ち込んでいるのかは知らぬが、マンガやアニメは日本が誇る文明の一つだ。なにせコスプレと言う言葉も日本人が作り出したものだからね。故にそれを否定すると言う事は非国民も良いところだ」
御言の力説に葵も思わず、言葉を失ってしまった。
「それに! 君を否定するならばまず年甲斐も無く、あんなコーナーを設けた、あのババアを退治しなくてはならない」
「……それって理事長の事ですか?」
「そうだ。全く、いつになったら絶滅するものだかね。それはそうと天童君」
「は、はい」
「君とてアキバ系の趣味を隠したいと言う事は、否定しているも同じ事だよ。例え君の過去に何があろうとね。否定するならばまず地図から秋葉原を消し去りたまえ」
真っ直ぐ見つめてくる御言の視線から、葵は逃れる事が出来なかった。
「なぜ御影さんはそこまで」
「あいにく俺の周囲には変人が多くてね。その程度ではさほど抵抗は無いのだよ。常識人である俺はいつも苦労しているのだがね」
御言のその言葉に葵は思わず、笑ってしまった。先ほどまで落ち込んでいたなずなのだが。
「しかし周りの評判も俺は知っている。…やれやれ凡人にはいつの時代も理解されないものだね? 天才と言うものは」
「………えっと」
言葉に迷い苦笑している葵を見て、御言は満足げに頷いて見せた。
「…ふむ。その分ならば大丈夫だろう。先ほどより落ち着いたかね?」
葵は言われて初めて自分がもう、あまり落ち込んでいない事に気が付いた。
「もしかして御影さん。初めから?」
「さあ? どうだろうね。しかし君の悩みなどその程度なのだよ。だからあまり深く悩まない事だな。それでは俺はこれから用事があるのでね。これで失礼させてもらう」
「…あっ」
葵に言い返す隙を与えず、御影は回れ右をして図書室へと戻って行ったのだった。
「何故かね?」
「なぜって大概の人はアキバ系のような、趣味には否定的ですから」
葵の言葉に御言はもう一度「…ふむ」と頷き、メガネの位置を直した。
「君がどういう理屈で落ち込んでいるのかは知らぬが、マンガやアニメは日本が誇る文明の一つだ。なにせコスプレと言う言葉も日本人が作り出したものだからね。故にそれを否定すると言う事は非国民も良いところだ」
御言の力説に葵も思わず、言葉を失ってしまった。
「それに! 君を否定するならばまず年甲斐も無く、あんなコーナーを設けた、あのババアを退治しなくてはならない」
「……それって理事長の事ですか?」
「そうだ。全く、いつになったら絶滅するものだかね。それはそうと天童君」
「は、はい」
「君とてアキバ系の趣味を隠したいと言う事は、否定しているも同じ事だよ。例え君の過去に何があろうとね。否定するならばまず地図から秋葉原を消し去りたまえ」
真っ直ぐ見つめてくる御言の視線から、葵は逃れる事が出来なかった。
「なぜ御影さんはそこまで」
「あいにく俺の周囲には変人が多くてね。その程度ではさほど抵抗は無いのだよ。常識人である俺はいつも苦労しているのだがね」
御言のその言葉に葵は思わず、笑ってしまった。先ほどまで落ち込んでいたなずなのだが。
「しかし周りの評判も俺は知っている。…やれやれ凡人にはいつの時代も理解されないものだね? 天才と言うものは」
「………えっと」
言葉に迷い苦笑している葵を見て、御言は満足げに頷いて見せた。
「…ふむ。その分ならば大丈夫だろう。先ほどより落ち着いたかね?」
葵は言われて初めて自分がもう、あまり落ち込んでいない事に気が付いた。
「もしかして御影さん。初めから?」
「さあ? どうだろうね。しかし君の悩みなどその程度なのだよ。だからあまり深く悩まない事だな。それでは俺はこれから用事があるのでね。これで失礼させてもらう」
「…あっ」
葵に言い返す隙を与えず、御影は回れ右をして図書室へと戻って行ったのだった。