お嬢様重奏曲!R
図書室で無事豊からの頼み事を完遂する事が出来た御言は、家に戻り夕食の準備をしていた。小さい頃から両親が滅多に帰ってこないため、自炊するしか無かったのだ。
「やれやれ。困った両親もいたものだね」
独り言を呟きながら一人で夕食を済ませる。食器を片付け、風呂に入る。風呂から上がると自室に戻り、パソコンに向き合っていた。
「………とりあえずはこんなものだろう」
プログラミングしたシステムデータを、フラッシュメモリに移す。
その最中に家の電話のベルが鳴ったのだ。豊たちならば携帯電話に直接かけてくるだろう。
御言はそんな疑問を置いといて、今も鳴り続けている電話へと向かって行った。
「…もしもし? 御影だが」
「あっ御影さんですか? あ、あの…天童、ですけど」
電話の相手は葵だった。しかしその声はどこか切迫している様子にも聞こえた。
「こんな夜遅くにすみません。大事なお話がありまして」
時計を見ると時刻は十時半を回っている。遅いと言えば遅いだろう。
「…ふむ。何か用件でもあるのかね? その声の様子からして」
御言が尋ねると途端に「……グスッ……エグッ」と、泣き声が聞こえてきたのだ。
「御影さんには度々ご迷惑をかけているのは、重々に承知しているのですが…」
「建設的に行こう。用件を言いたまえ」
「え? 私の頼みを聞いてくれるんですか? どうして…」
「なに、簡単な推理だよ。会って間もない俺に、用事があるのだ。ならば相談とは君の趣味の事だろう。そして君の趣味を知っているのはおそらく俺一人だ。だとしたら相談に乗るのは至極当然だと思うのだが、君はどうかね?」
「あ、ありがとうございます。それでご相談と言うのが…」
相談内容を聞いて、御言は葵に聞こえないようにため息わ吐いた。
「なるほど。ならば学園で待ち合わせしようか。こちらも準備が終わり次第、向かう」
「分かりました。それでは学園で」
電話を切るとパソコンの前に戻り、コピーが完了したフラッシュメモリを抜き取り、御言は家を出て夜の学園へと向かって行ったのであった。
「やれやれ。困った両親もいたものだね」
独り言を呟きながら一人で夕食を済ませる。食器を片付け、風呂に入る。風呂から上がると自室に戻り、パソコンに向き合っていた。
「………とりあえずはこんなものだろう」
プログラミングしたシステムデータを、フラッシュメモリに移す。
その最中に家の電話のベルが鳴ったのだ。豊たちならば携帯電話に直接かけてくるだろう。
御言はそんな疑問を置いといて、今も鳴り続けている電話へと向かって行った。
「…もしもし? 御影だが」
「あっ御影さんですか? あ、あの…天童、ですけど」
電話の相手は葵だった。しかしその声はどこか切迫している様子にも聞こえた。
「こんな夜遅くにすみません。大事なお話がありまして」
時計を見ると時刻は十時半を回っている。遅いと言えば遅いだろう。
「…ふむ。何か用件でもあるのかね? その声の様子からして」
御言が尋ねると途端に「……グスッ……エグッ」と、泣き声が聞こえてきたのだ。
「御影さんには度々ご迷惑をかけているのは、重々に承知しているのですが…」
「建設的に行こう。用件を言いたまえ」
「え? 私の頼みを聞いてくれるんですか? どうして…」
「なに、簡単な推理だよ。会って間もない俺に、用事があるのだ。ならば相談とは君の趣味の事だろう。そして君の趣味を知っているのはおそらく俺一人だ。だとしたら相談に乗るのは至極当然だと思うのだが、君はどうかね?」
「あ、ありがとうございます。それでご相談と言うのが…」
相談内容を聞いて、御言は葵に聞こえないようにため息わ吐いた。
「なるほど。ならば学園で待ち合わせしようか。こちらも準備が終わり次第、向かう」
「分かりました。それでは学園で」
電話を切るとパソコンの前に戻り、コピーが完了したフラッシュメモリを抜き取り、御言は家を出て夜の学園へと向かって行ったのであった。