ディーダラス2064

ミディ

ナオヤのことについては
最初から馬が合った

ナオヤはカオルと同じく日本人の血を引きながら
ナオヤは日本で生まれ育っていた

日本のことについていろいろ聞かせてくれる
貴重な存在としてカオルはナオヤをことさら丁重に扱った

おそらくナオヤは使節団としてはカオルと同じポジションに位置するものだと大体察しがついていた

ジョン グレン とスチュアート この二人とナオヤとカオルは最初から性格指数を基準に同じメンバーとしてグループを組む最良の組み合わせとされていた
つまり、ナオヤと本質的に気が合うのも
科学データとして自分の中身をのぞかれてゆえの処置と思うと
友情らしき感情のわく相手に対しても少々しらけてしまう感覚にとらわれた

それでもこの四人は大体同じスタンスで行動が出来たし、全く無理の無い組み合わせだと自分たちでも納得できた。




ディーダラス01のことを知らされたのは
地球軌道を出発した次の日のことだった
月面で建造中の巨大な探査船で
使節団員24名をすっぽりとカバーして宇宙を旅する
移動する研究施設としての機能すらもつ全長600メートルの宇宙船だった

発着ベイと貨物室からなる三角の中心部に
それを取り巻くようなリング状の居住エリアからなっていて

その居住エリアから推測できる遠心重力システムも カオルの悩みの種だったが…

< 16 / 50 >

この作品をシェア

pagetop