ディーダラス2064

目覚め…

女王と呼ぶべき存在は、確かにそこに存在していた
その世界の構成は一人の女王に対して
多くの部下、働き蜂に比喩すべき存在がとてつもなく多く存在していた
かれらにはあまり生体機能的に個性と呼べるべきものは与えられていなかった。

多くのものたちは眠りについていた
女王はその指揮すべき使命といった宿命から
何度もその生体ボディを脱ぎ捨ててからは次なる身体、次なる身体へと
永遠の人生という旅を続けてきていた。

働き蜂的な部下の比較的上層部のものたちにも
その特権は与えられていた


無敵の要塞の内部奥深くに息を潜め
彼らはそうやって気の遠くなる永い宇宙の旅を続けていたのだ。


大半の生態系世界では、すべての原住生命体の生体は塩基記号つまりはDNAで構成されていた。
彼らを庇護する高度エレクトロニクスシステムは
彼ら宇宙を旅するジプシーたちに
自分たちの宇宙要塞の辿る航路に存在らしき確認した生態系の構成DNAを人工ウィルスを作り、それらをその場所に放ち
ウィルスロボットを感染させ、様々な個体からDNA情報をごっそりコピーして転送するといった行為を行っていた。

その宇宙を進む要塞の内部には数え切れない種類の、これまで自分たちの航路に存在した知的種族の姿をした者たちや、あるいは生体として培養されては居ないが情報バンクにしっかりそれらデータが蓄積されていた。
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