ディーダラス2064
螺旋に施されたオブジェ
そこにはなんにも装飾など必要のない
リラックス空間だった。

そこにスキンヘッドのジョングレンがいた

ジョングレンは無重力ソファーのウオーターアメーバにまたがって
宙に浮いたまま瞑想を続けていた

カオルは邪魔をしちゃ悪いなと一旦思った
けどそれはカオルのジョングレンに対する躊躇で
逆にジョングレンに失礼だと思ったので
カオルは思い切ってジョングレンに声をかけた


赤と黄色と オレンジの メタリックな装飾
そして何よりシンプルながらクリスマスの装飾を思わせる
演出

この展望室にはいろいろ搭乗員の心理的状態を
癒す施しがなされていた

「グレンさん…」

「やあっ 」

軽い
最年長
カオルたちのグループの中最年長のグレンは
まるでその年齢にふさわしくないくらい
軽々しく
カオルに初めて接してきた

この人は柔らかい
とても柔らかい人だ

これまでそう感じないこともなかったけど
まざまざとジョングレンの人柄に触れた気がしたカオルだった。
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