ディーダラス2064
「私たちは何一つ破壊しようとしていない事実を
お分かりいただいていると思います
私たちの目的をお話しすることもできます

ただ 私たちは宿命上 もしくは好奇心から
あなたたちの生命圏に人工のウィルスを送り込みました
そのことはあなた方より侵略行為と指摘されても反論の余地はありません

ただ、それらすべての目的は
生態系採取です

これは私たちの使命です


この私の姿は
アバターとしてあなたたちと接点を持ちやすいように構成された
仮の姿は
実際 あなたたちの生命圏に放ったDNA採取のためのウィルスロボットがある一個体から忠実に採取した遺伝情報をもとに構成したものです。


「ミディだ…やっぱり間違いない
キミはミディだ
偶然じゃない、 キミを構成している遺伝個体は少し前僕と恋愛関係にあった人そのもののものだよ…」

「そうですか…」

そういって またそのアバターは消えた
カオルにまつわる状況を察したスチュアートが
カオルに気にも留めずにこう言い放った

「全く落ち着かないな
消えたりあらわれたりがここの住人の流儀か…
「不快でしたら謝ります
一旦姿を消したほうが この方が落ち着きを取り戻すと思ったからです」
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