ディーダラス2064
やがて秋が深まり
年末のあわただしさが感じられるような時候になった頃
カオルはある一通のダイレクトメールをもらった

カオルには少々古典的なところがあって
誰もが特殊フィルムのコンタクトレンズによって
網膜に情報端末によって送られてくる映像を投影できる時代に、
わざわざ発光スクリーンに投影させて確認する方法での情報伝達を好んでいた

そのことによって自分宛のメッセージ情報のプライバシーは著しく低下することは予想されていた
しかし、カオルはブレスレットから発せられたホログラムによって情報などの映像を空間に投影させる一昔前のやり方で複数の仲間で同じ情報を共有することを好んだ。

もちろんそういったカオルの特性はWSCには筒抜けで
協調性の無い分月面勤務は認めずらいが、極めて変則的な新種のミッションに参加しないかと新宇宙局からオファーをもらったのだ。

カオルはそのときから有頂天になっていた
仲間と都市エリアの街路路をきゅうきゅう詰めの小型ヴィークルで違反スピードで走ったり
複数の好みの若い異性を囲った乱交パーティーで一夜を明かしたりした。

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