-恐怖夜話-

確かに三人の他に見知らぬ少女が写っている。


長いストレートの黒髪。


青白いような肌。


血の気のない、引き結んだ口元。


目元は雅美達の体に隠れて見えていない。


はっきりとした顔かたちが判別出来る訳じゃないけど、写っているのは確かだ。


だが、それだけの事。


おそらくは、近くにいた茶目っ気のあるこの少女が、悪戯心で入り込んだのだろうと、そう思った。


まあ、それにしては、随分暗い表情ではあるが――。


「ほら、別に気にするような写真じゃないわ。怖い怖いと思って見ると、怖く感じてしまうものよ」


ね?


と、まだ怯えた様子の三人に、笑いかける。


だが、三人にしてみれば、『絶対の確信』があるのだろう。


一度芽生えた恐怖心をそう簡単に拭えないのも、分かる気がする。

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