-恐怖夜話-
「そうね……」
押し黙ってしまった三人を見詰めながら、私は心の中で軽く溜息を付くと、努めて明るく話し掛けた。
「分かったわ。先生の知り合いにこう言うのに詳しい人がいるから、見て貰ってあげるわ。この写真は、先生が預かる。だから、心配しないでもう帰りなさい」
今時、人間の方がよっぽど怖いんだから。
ね?
と、再び笑い掛けると三人は顔を見合わせ、『どうする?』とばかりに目配せしあった。
「先生がそう言うなら……」
雅美の呟きにリエと若菜がゆっくり頷き、私はホッと胸をなでおろす。
本当、この年頃の女の子は、扱いが難しい。
「はい、万事OK、心配なし! 遅くならないうちに帰りなさい!」
私の飛ばした檄(げき)に、三人は不安気ではあったが、取り敢えずその気味の悪い写真を持って帰らずに済むことに安堵した様子で、下校して行った。
そして、
その写真は私の手元に、残されたのだった。