-恐怖夜話-
家の前の三メートル程の道路を渡り、
畑と小さな雑木林に挟まれた一メートルにも満たない小道が、いつもの犬の散歩コース。
数メートル置きに電柱に付けられた街灯だけが、唯一の灯りだ。
田舎なので、隣の家は数十メートル離れていて、その灯りも私達の所までは届いては来ない。
薄暗い散歩道。
人影は皆無だ。
でも、不思議と怖くは無かった。
シロと一緒だからかも知れない。
「るんるんるん」
私は、お気に入りのアニメソングをハミングしながら、気分良く足取りも軽やかに散歩コースを歩いていた。