-恐怖夜話-

その後、


ビデオを出し入れするガチャガチャと言う音は激減し、私は自分のナイス・アイディアに満足していた。


だが、ずっとおとなしく見ているのかと思いきや、娘にもやはりそれなりにお気に入りの話しや歌があるらい。


ビデオを出し入れする変わりに今度は、リモコンで早送りで見たい場面を探しながら見始めたのだ。


何度も繰り返される、早送り、再生、早送り。


あ~あ。


今度は、ビデオ・テープが伸びそうだなぁ。


でも、デッキが壊れるよりは安上がりか……。


ビデオを見る娘の様子にそれとなく注意しながら、私は細々とした家事を片付けて行った。

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