-恐怖夜話-
30分ほど経っただろうか。
何度目かの洗濯物を干し終えて居間に戻ってきた私、に娘が「ビデオ、終わっちゃった~」と声を掛けてきた。
「えっもう終わっちゃったの?」
今日は、始めから見ていた筈なので、相当早送りしたようだ。
「あんまり早送りすると、テープが伸びちゃうよ」
娘に声を掛けてからテレビの画面に目をやると、確かに青い画像が映し出されている。
「もう今日はビデオ、終わりにしようね」
「ええ~? もっと見たいよぉ!」
「もう今日は終わりにして、お買い物に行こう」
ぶーっと頬を膨らませていた娘の表情が、途端に気色ばんだ。
全く、現金なんだから。