-恐怖夜話-
季節はもう、秋も終わる頃。
もう少しすれば、標高が高いそのキャンプ場は深い雪に覆われ、翌年の春まで閉鎖されてしまう。
時期的には紅葉も終わりかけていたけど、言ってしまえば景色云々よりも、同居の親兄弟に気を使わずに夫婦でのんびり過ごせるならば、それで良かったのだ。
私たち夫婦は、結婚三年目。
子供はまだいない。
特にこれといった不満が有るわけでもなく、
家族に病人が居るわけでもなく、
たぶん。
ほどほどに、幸せなんだと思う。
でも。
日々の忙しさにかまけて、なんとなく夫婦の関係が希薄になっている……気がする。