-恐怖夜話-
こう、何というか。
倦怠期?
そりゃあ、恋人時代のようなトキメキを期待するほど乙女ちっくじゃないけど、たまには変化が欲しい。
そんな心境。
言葉にはしないけど、たぶん武士も同じ気持ちでいるんじゃないかな、と思う。
「あと、30分かぁ……」
私は、ため息混じりに呟いた。
実は、トイレに行きたくなったのよね。
「なんだ恵子? トイレでも行きたくなった? ポータブル・トイレ使うか?」
さすが、我が夫。
語らずとも察してくれる。
でも、そのからかうような声音とニヤニヤ笑いは、止めて欲しい。