-恐怖夜話-
「うーん。どうしようかな……」
「だって、安いわよ。これで二千円はお買い得じゃない?」
確かに、他に比べると格段に安い。
傷や目立った汚れはなく、見た目も綺麗だし、母の言う通り買い得な感じがした。
でも、こういうのは、慎重に見極めないとね。
「中はどうかな?」
私は中を見てみようと、冷蔵庫のドアに手を掛けてぐっと引っ張った。
が、ドアはびくとも動かない。
「あ、あれ? 開かないよ?」
今度は力を込めて引っ張ってみたが、やはりドアが開かない。