-恐怖夜話-
東悟は建築関係の仕事がしたいとその方面の大学に進み、今は東京の建設会社に就職してしまい、実家の神社を存亡の危機に陥れている。
まあでも、そのお陰で同じ東京の空の下で、愛を育んでこられた訳だけど。
「何で私が元気がないと、お腹が空いてると思うのよ?」
反撃してやろうと口を開きかけたが、昨夜の夢を思い出して気がそがれ、「そんなんじゃくて……」と、言葉を濁した。
悪夢と言う訳ではないが、気持ちのいい話しでもないから。
『呪い歌』
あの子供の声が言った言葉が、妙に心に引っ掛かった。