-恐怖夜話-
「ねえ、東悟」
東悟なら何か知っているだろうか?
一応、神社の跡取り息子だし。
「なに?」
「あのさ、子供のころよく『かごめかごめ』ってやったじゃない?」
「え?」
いきなり振られた話題が、思いがけなかったのだろう、東悟は、きょとんと目を丸くした。
そうすると、普段はクールぶっている醤油顔が可愛く見えるから可笑しい。
「かごめかごめって、輪になってグルグル回る、あれか?」
「うん、そう。それ」
「それが、どうかしたのか?」
まさか、あれが呪いの歌なのか? とは聞けないので、私は遠回しに言葉を選んだ。
「あの歌の歌詞って、何だか不思議だよね? 東悟、意味知ってる?」