-恐怖夜話-
「ほんと、もう気にならないわね。
どう、弘恵、これにしちゃったら?」
「う……ん。そうだね」
乗り気な母の言葉に曖昧に頷いたけど、正直言って、私は気が進まない。
特に理由があるわけじゃない。
ただ『何となく』気が進まないのだ。
それに、安すぎる値段も、なんだか怪しい。
「あの……。何でこの冷蔵庫だけ、こんなに安いんですか?」
私は、心に引っかかっていたことを、店員さんに素直に質問してみた。
もしかしたら、何か欠陥があるのかも?
いくら安くても、すぐに壊れてしまったら、高い買い物に化けてしまう。