-恐怖夜話-
翌朝。
あのままコタツで眠ってしまったらしい私は、目覚めるとすぐさま実家に電話をして、母をアパートに呼んだ。
そして、昨夜あったことを全て隠さずに、一部始を話して聞かせた。
「緊急事態だっていうから、慌てて来たけど……。何それ? 本当なの?」
鼻息の荒い私とは対照的に、母の反応は落ち着いたもので、私にいれさせたコーヒーをゴクリと飲み下して、いかにも胡散臭そうに眉根を寄せた。
「夢でも見たんじゃないのぉ?」
そ、それは、実は、私もそう思わないことも無かったけど。
あの全身の皮膚が粟立つような恐怖が夢だなんてあり得ない――。
今だって、冷蔵庫を見るのだって怖いのに。