僕が彼女を殺しました・・・。
たった20秒ほどの通話なのに、こんなにも腹が立つ。

今日の葬式で顔を合わせたら・・・どうなるんだろうな・・・。


「はぁ・・・。」

考えただけでため息が出る。




―――ピーンポーン

・・・ったく・・今度は誰だよ・・・


「浩一君!!横田だ。居るか?」


おっさん?
何でこんな朝早くに?

俺は急いでドアを開けた。



「おう、浩一君。起きてたか。・・・と言うより今起きたか。」

「何かあったんですか?」

「いや、何も?」

「じゃあ、何でここに居るんですか。」

「迎えに来たんだよ、君を。式行くぞ。さ、早く着替えて着替えて。」


家に入ってきて、おっさんは俺の背中を押す。




本当にこの人は・・・お節介焼きなんだから・・・。


言われるがまま、俺は制服を着て寝癖を少し直した。




「お前何か食ったか?」

「特に。」

「何やってんだよ。時間まで余裕ないのに。しょうがねぇから、車ん中で食え。」


そう言って俺を引っ張って車に乗せて、
車は式場へと向かった。






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