僕が彼女を殺しました・・・。
「浩一君、離れなさい。」
「手を離しなさい。」
周りの人が俺を千里から離す。
「嫌だ・・・嫌だ・・・やめろ!!」
必死に振りほどこうともがいた。
―――ガシッ
俺の腕を、誰かが強く掴んだ。
ビックリして、俺の動きは止まった。
俺の手を掴んだのは・・・
「やめるんだ・・・浩一君。」
おっさんだった。
「・・・おっさん・・・離せよ。」
おっさんは何も言わず、ただ腕を強く握って俺の見つめる。
急に体の力が抜けて、
俺はその場にしゃがみこんだ。
―――キィィィィ
千里が・・・入っていく。
あんな狭いところに入れられてしまう。
助けたいのに・・・
体に力が入んねぇ。
―――ガシャン
扉が閉まった。
もう千里は・・・戻ってこない。
俺は声も上げず、静かに涙を流した。
もう涙は出ないと思ったのに、
どうして涙は枯れないんだろう。
どうして
涙が・・・出るんだよ・・・。