僕が彼女を殺しました・・・。
のばしていた手を強く握り締め、
ゆっくりと胸に当て、瞼を閉じる。
体は離れてしまっても、
心だけは・・・置いてけよ。
心だけは・・・
もう絶対離さないから・・・。
心だけは・・・。
「浩一君。」
俺を呼ぶ声がして、すぐに目を開けた。
目の前に居たのは・・・
「佐々木さん・・・。」
ゆっくり体を起こす。
「久しぶりだな。ちょっといいか・・・?」
そう言って、俺の隣りを指差した。
「・・・どうぞ。」
佐々木は少し笑って、俺の隣りに座った。
しばらく沈黙が続いた。
2人とも、何から話せばいいのか分からなかったんだ。
「あの・・・。」
「あのさ・・。」
2人の声が重なった。
「すいません。先どうぞ。」
「じゃあ・・・。」