僕が彼女を殺しました・・・。
初恋
「元気か・・・?」
「・・・はい。まぁまぁです。」
「そうか。」
横に座る佐々木は、
初めて会った時の元気がなく、
少し痩せていて、
瞳もうつろだった。
あんなにたくましかった腕が
すごく細くて・・・
少し胸が痛かった。
佐々木も・・・
辛かったんだろうな・・・。
「浩一君・・・千里から何か聞いてる?」
「何をですか?」
「俺との事。」
「・・・あまり。」
「そっか・・・そうだよな。」
「あいつはさ、ずっと浩一君だけを愛してたよ。」
そう言った佐々木の横顔が、
笑っているのに
泣いてるように見えた。
「俺と千里の話をしてもいいか?」
「・・・はい。」
正直、複雑な気持ちだった。
どんなにあの手紙が本当でも、
やっぱり佐々木と千里が
付き合ってた事に変わりはない。
千里が佐々木と
どんな時間を過ごしたのか、
どんな気持ちだったのか、
聞きたいような聞きたくないような気持ちだった。