僕が彼女を殺しました・・・。

本当は心の中で、

『苦しい。』って言ってるんだろ?

『辛い。』って言ってるんだろ?





「お前って・・・本当にバカだな。」

「え?何で?」


そう言って俺の目を見る千里。

俺の目を見た瞬間、
何かを感じ取った千里は、

すぐに目をそらした。



「・・・・嘘つくなよ。」

「・・・・。」

「俺には・・・嘘つくな。」



「・・・・ごめん。」


そう言って千里は下を向く。



俺も馬鹿だなって思った。

何でわざわざ自分から傷付こうとしたんだろう。

傷付くって分かってて・・・

何でこんな事言ったんだろう・・・・。


本当に・・・馬鹿だなぁ・・・俺。






「あたし・・・浩一の事が好きなの・・・。」







前から弟の事は聞いてた。


だって千里のやつ・・・


本当に幸せそうに笑って


『浩ちゃんたらね――』
『この前浩一と――』


って話すんだもんな・・・。

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