僕が彼女を殺しました・・・。
「・・・。」


しばらく沈黙が続いた。

きっと千里は、連絡をしなかった事を気にして何を言ったらいいか分からないんだろうな。


俺も・・・何て言ったらいいかわかんねぇ・・・。

でもこの沈黙は我慢できねぇ!!


「寒い・・よな。」

「そうだね・・・。」


そう言って、少し赤くなった手に息をかけてる千里を凄く可愛いと思った。


「はぁ~。」

「翔ちゃん・・・!?」


俺は千里の手を取って、息を吹きかけた。


「冷てぇなぁ・・・。」


「・・・・ごめんな。」

「何が・・?」

「この前。いきなりあんな事言われたら・・・どうしていいか分かんねぇよな。」



「でも、言いたかったんだ。」



「泣いてるお前を見て・・・どうしても言いたくなった。」






「・・・・ごめん。」


「謝ったらダメだよ・・・。」


「謝ったら・・・言った事を後悔してるみたいに聞こえるじゃん・・・。」

「俺は後悔なんて――」

「だから、謝っちゃダメ。」


そう言って千里は笑ってくれた。

もう見せてくれないと思っていた、


俺の大好きな笑顔。




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