僕が彼女を殺しました・・・。
「…前に進まなきゃいけないことは、分かってるつもりです。」
「でも……。」
「そうだよな。」
佐々木が俺の肩をポンと叩いた。
「まぁ、ゆっくりでいいんだ。ここに居てもいい。ただ、ずっとじゃなければな。」
「そろそろいくか。」
そう言って佐々木は立ち上がって、
建物の中に入っていった。
「ずっとじゃなければ・・・・か。」
じゃあ、ずっと居たいって言ったら…
どうなるのかな…。
ずっと一緒じゃ…
何で駄目なんだ?
佐々木…
今の俺には
その答えが見つからないんだ…。
「浩一君。」
建物からおっさんが俺を呼んだ。
「終わったそうだ。」
「今行きます。」
最後にもう一度だけ、
遥か遠くに流れていった千里の煙を見て、俺は建物に入った。