僕が彼女を殺しました・・・。

「浩一行くよ。」

彼女は俺より一歩前を歩いていく。



なんだか不機嫌・・・。

何でだ・・・?



「千里。」


ピタッと彼女は足を止めた。

そして振り返って、俺を見る。


「何?」


顔が怒ってる。

眉間にシワを寄せて、少し頬を膨らませている。


「何怒ってんの?」

「別に、怒ってないし。」

「怒ってんじゃん。」

「怒ってない。」


また、彼女は歩き出した。





明らかに怒ってんじゃん・・・。



怒りたいのは俺の方だ。


あんな・・・嬉しそうな顔しやがって。

俺に見せたことないような・・・


あんな笑顔・・・・。




俺の知らない千里を見た。



それがすごく・・・嫌なんだ。

嫌なんだよ・・・。






頼むから・・・

俺を見てくれよ・・・・。

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