僕が彼女を殺しました・・・。
それから納骨式を済まして、実家に集まる事になった。



「あの、俺帰ります。」

「・・・でも・・・。」

「すいません。」

それだけ言って、俺は玄関へ向かった。


ここに・・・居たくない。
何故かそう思ってしまった。

千里や父さん達との想い出がたくさんあるこの場所が、今の俺には辛かった。



「・・・ッ・・・ウウゥ・・。」


誰かの泣き声・・・


「優一・・・すまない・・・ッ・・・。」


この声は・・・


「すまない・・・本当に・・・すまない・・。」


叔父さんだ。




叔父さんは、父さんの写真の前で泣いていた。

想像もしていなかった光景に、
俺は足を止めていた。



あの叔父さんが・・・泣いてる?

葬儀の時に一度も涙を見せなかったのに・・・


何で今泣いてんだよ・・・。




「俺は・・・お前が羨ましかった・・・。」


「親父達からも愛され、昔からお前の周りにはたくさん人が居て・・・。」


「俺は嫌な奴だから・・・そんなお前を妬んでいた。」


「大人になって、お前より偉くなって、どうだっ!!て思ったよ。」


「でも、お前は全然気にしていなくて、悔しかった・・・。」


「だからお前には・・・いつも酷い事を言ってしまった・・・。」


「なのにお前は・・・。」



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