僕が彼女を殺しました・・・。


愛想のねぇ奴。




由希の最初の印象は、可愛く無い奴だった。

お前はそうやって、
人との関わりを避けてたんだよな。

人と関わることを恐れてたんだ。


でも本当は、


誰かと一緒に笑いたかった。

誰かに支えて欲しかった。

ずっと誰かの優しい手を求めてたんだ。








―――バタンッ


「ただいま。千里。」


もちろん返事は返ってこない。


でも俺には、

こたつでメロンパンを食べてる千里の姿が見えていた。


笑って

『おかえり』って言ってるんだ。



本当に・・・言ってるんだ。











この時の俺の心は、

すごく微妙な場所に居たんだと思う。




千里は死んでないって思う自分も居れば、

白い煙になっていく千里を見て、もう居ないんだと思う自分も居た。





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