僕が彼女を殺しました・・・。


「泣いて抱きついてきて、『暗くて怖い~。』って泣きやがった。」

「怒るつもりだったのに、泣いてるお前が可愛くてさ、俺頭撫でてやったし。」

「お前はずっと、何で先に帰ったのか理由を言わなかったよな。俺、全然気付かなかった。お前が告白聞いてた事も、そのせいで先に帰った事も。」




「その後一緒に手繋いで帰ったよな。」



「あの時俺ドキドキしてた。なんか、恋人みたいじゃんって思ってた。」


「幸せな時間だった・・・。」







「千里?聞いてんのか?」




「なぁ、千里?」






気が付くと、隣に千里の姿は無くて、

部屋には俺1人だった。



俺の声だけが響いて、

“独り”だと実感した。





俺は涙をこらえた。













「また、明日な。」










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