僕が彼女を殺しました・・・。
俺は、千里の手を取った。

そして、握り締めた。



「何?いきなりどうしたの?浩一。」


俺は何も言わずに千里の一歩前を歩く。


「浩一!!」


無視。


「浩一浩一浩一ッ!!!」

「うっせぇな。なんだよ。」

「どうしたの?」

「何でもねぇよ。」


千里は、急に俺の前に立つ。




「何でもなくないくせに。」


じっと俺の顔を見つける。



「そんな・・・泣きそうな顔して。」



俺は思わず顔をそらした。




千里の瞳は、苦手だ。

俺の気持ち全部見透かされてるみたいな気持ちになる。



「ほら、目そらした。やっぱり何かある。」


そう言って、彼女は笑った。


「あたしに隠し事なんて出来ないんだよ~。」


彼女は俺の鼻を摘んだ。



そうだな。

お前は何でも分かっちまう。

俺のこと・・・。



お前を好きっていう気持ち以外はな・・・。

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