僕が彼女を殺しました・・・。
「分かってねぇよ。お前は何も。」


そう言って、俺は歩き出した。


「・・・・。」



千里は困っていたと思う。

いつもの俺なら、

笑って「うるせ~よ。」って言ってただろう。



でも、この時の俺には、

そんな事出来なかった。


そんな余裕は無かった・・・。






それから、千里の行きたかった店に着いた。



でも、

俺たちの空気は最悪で・・・


楽しく買い物なんて出来なかった。






結局、彼女は何も買わずに帰った。






帰り道、俺たちが口を開くことは無かった。








千里に嫌な思いをさせてるのは
分かってる。


でも今、
口を開いてしまったら、

俺は言ってしまいそうなんだ。


たった二文字の言葉を・・・・。



止めることが出来なくなりそうで・・・怖い。
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