僕が彼女を殺しました・・・。
家について、すぐに俺は部屋に入った。
扉にもたれかかる。
千里の笑った顔が頭から離れない。
佐々木を見て笑う彼女の顔が…。
「くそっ!!」
ドンッ
拳で扉を叩いた。
やり場の無い気持ちを
どうしていいか分からなかった。
すぐにでも『好きだ』と叫びたいのに、
千里の悲しむ顔を見たくなくて…
気持ちにストップがかかる。
時々、
今のままでもいいんじゃないかって思う時がある。
今のまま、
弟として千里の隣に居れたら
それだけで幸せなんじゃないかって。
千里の笑った顔を見れたら、
それで十分じゃないかって。
でも、
やっぱりそんなの無理なんだ。
近くに居れば居るほど、
千里が欲しくなる……。