僕が彼女を殺しました・・・。
「浩一君。」
「ん?何?」
「電話番号・・・教えて欲しいな。」
「あ、いいよ。」
珍しいな。
メールは普通だけど、
女と電話なんてした事ねぇや。
携帯をつけて、赤外線でデータを送る。
「ありがと。」
彼女は本当に嬉しそうだった。
何所となく、笑った顔があいつに似てた。
千里に・・・・。
2人で話していると、
時が過ぎるのを忘れていた。
気が付けば、時計の針は一周していた。
「暗くなるし、帰ろうか。」
「あ、・・・うん。」
分かりやすい奴だな。
彼女の顔は、少し寂しそうで、
『まだ一緒にいたい』って言われてるみたいだった。
「送るよ。」
「えっ・・本当?いいの??」
「女の子1人で帰すほど、俺は酷い奴じゃないよ。」
「・・・ありがとぅ。」
咲の赤くなった頬を、
俺は可愛いと思った。