僕が彼女を殺しました・・・。
そう言って、
座ったまま咲の体を抱きしめた。
すると、咲も上から優しく俺を抱きしめてくれた。
温かくて、優しくて・・・
俺は、咲じゃない奴の顔を思い浮かべた。
「浩一・・・・。」
一瞬、身震いをした。
いや、本当にしたかは分からない。
してないかもしれない。
ただ、
体の中を何かが走った感覚・・・。
『浩一』と初めて咲に呼ばれた。
その声は、千里が俺を呼ぶ声と重なった。
俺はこの時から
咲を千里と重ねていたのかもしれない。