僕が彼女を殺しました・・・。
この日から、

俺と咲は付き合い始めた。




変わった事と言えば、

咲が俺のことを、

『浩一』って呼ぶようになった事くらい。


他は・・・・

俺が咲に電話をするようになった事かな。





最初は、何となく
携帯のボタンを押したんだ。


何を話そうと思った訳でもなく、

ただ、ボタンを押しただけ。


『彼女』になった彼女の名前を。





そしたら、すぐに咲の声が聞こえた。


たったワンコールで彼女は出た。

『もしもし!』

ちょっと大きくて、元気なビックリしてるような声だった。


「咲?俺だけど・・・。」

『どうしたの?』

「いや・・・別に何かあった訳じゃないんだけど・・・。電話してみた。」

『あたしね、今浩一に電話しようと思ってたとこなんだよ!』

『そしたら浩一から来て、すっごぃビックリした!』


「・・フッ・・・。」

『浩一、今笑った?』

「いや、・・・別に。」

『嘘。今絶対に笑った!フッて聞こえたもん!!』


電話の向こうで、少し怒ってる咲の顔が思い浮かんだ。


「ごめんごめん。怒んなって。」

『別に怒ってないもん。』

「何か、今咲の声聞いてたら、すっごい嬉しそうだなって思って、そしたら咲の笑った顔が思い浮かんだだけだよ。」

『それの何所に笑うところがあるの!?』
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