僕が彼女を殺しました・・・。

なのに・・・・

どうしてこんなにも・・・


・・・俺の心は痛いんだ。





「浩一っ!!」

俺を呼ぶ声が後ろから聞こえた。


久しぶりに俺を呼ぶ彼女の声・・・。

名前を呼ばれるのって、
こんなに嬉しい事だったっけ・・・。


「浩一・・・。」

「何?」


立ち止まって、振り向かずに返事をした。


振り向かなかった。


だって、君の声を聞いただけで
こんなにも気持ちが溢れてくるのに、

君の顔を見てしまったら、
本当に立って居られなくなる。




「浩一・・・。」


俺の名前を何度も呼ぶのに、

その先の言葉を千里は言わない。


呼ぶ度に、小さくなっていく声。

その声が、泣いてる時の千里の声みたいで、
胸が痛い。

いつもみたいに、
すぐに傍に行って、抱きしめてやりたい。


でも、

今の俺にはそんな事出来なくて・・・・。




耳を塞いでしまいたかった。










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