僕が彼女を殺しました・・・。
「俺・・・どうしたら良いんだろうな・・・。」

「は?どういう意味それ。」


健が、いきなり俺の服の袖を引っ張る。

じっと俺の瞳を見つめる健の目は、
少し鋭くて、怖かった。


「なぁ、どういう事だよ。お前・・・何かあるんか?」


真剣な健。

それだけで俺は分かってしまった。


健の気持ちが・・・。



「健・・・お前・・・。」


俺の言葉の先が分かったのか、

服の袖を離して前に向きなおした。






「・・・・そうだよ。」


「俺は・・・・咲が好きなんだよ。」



「・・・いつから?」


「中学ん時・・・1年。」



今が高2だから・・・5年も・・・。

ずっと想い続けてたのか・・・・。



「何で・・・。」

「しょうがねぇじゃんッッ!!!」


怒鳴るように、

自分に言い聞かせてるみたいに健は大きな声を出す。



「あいつが好きだって言うんだったら、俺はそれを応援するしかないだろ!?」


「あいつがお前を選んだんだから・・・お前を選んだんだよ・・あいつは・・・・。」



健は、唇をかみ締めて

ぐっと気持ちを押し殺していた。

そして、拳を強く握っていた。
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