僕が彼女を殺しました・・・。
Red Love Letter
20分経って、やっとバスが来た。
俺は、バスに乗って、一番後ろの席に座った。
流石にこんな遅くに、ここを通るバスを乗る人は居なくて、
たった一人、俺だけのバス。
そう言えば・・・
ずっと前に、千里と一緒にバスに乗ったっけ。
あれは確か・・・俺が中学2年の時。
『夏だから海行きたい』って千里が言って、
それでバスに2人で乗ったんだ。
その時も後ろの席だった。
ふたりで隣りに座って、
たくさんのくだらない話をして、
一緒に笑い合って、
そしたらいつの間にか千里は、俺の肩にもたれて眠っていた。
その時、そっと俺は千里の手を握ったんだ。
それから、
『好きだよ。』ってそっと呟いて、
初めて千里にキスをした。
これが俺の初めてのキスだった。
忘れられない・・・初めてのキス。
今思い出しただけで、胸がドキドキする。
早く家に着かないかな・・・・。
バスの窓から見える満月を見ながら思った。