僕が彼女を殺しました・・・。
「父さん・・・母さん・・・。」
弱弱しい声しか出なかった。
本当はもっと叫びたかったのに、
俺はビクビク震えていた。
―――ッ!!!!
愛しい彼女の顔が思い浮かんだ。
俺は急いで階段を駆け上がる。
いつも昇っているのに、
何だか階段が果てしなく続いてるように思えた。
早く傍に行きたいのに、
何かが拒んでいるみたいだった。
―――バンッ
やっと辿り着いた君の部屋。
そこに君は・・・倒れていた。
君のお気に入りの白いワンピースが、
・・・真っ赤に染まっていた。
「嘘・・・だ・・・。こんなの・・・嘘に決まってる・・・。」
少しずつ、彼女に近づく。
震える足を必死に動かして。
「ちさ・・・と・・・?」
「なぁ・・・千里・・・。」
「返事しろよ・・・・。なぁ・・・・。」