僕が彼女を殺しました・・・。

「この向こうだ。」


「大丈夫か?」

「大丈夫です。」

「じゃあ、入ろう。」

「はい。」



もう、足は震えない。

怖い事なんて無いじゃないか、

だって、

俺は今から

父さんや母さんに

会いに行くだけなんだから。




―――ガチャ



ドアを開けると、

中には、一つの光がポツリとあるだけだった。


その小さな光に照らされているのは、

俺の大切な家族。



そっと傍に寄る。





「父さん・・・・。」


父さんは本当にいい親父だったよ。

いつも自分よりも、
家族を心配してくれた。

俺たちを、支えてくれた。

俺が小さかった時、
父さんはいつも俺をおんぶしてくれたよな。


温かい父さんの大きな背中が、
俺は大好きだった。


俺・・・ずっと、
その背中を追いかけてたんだぜ?



父さんの背中を越えた時・・・

一緒に酒飲みたかったな・・・・。


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