僕が彼女を殺しました・・・。
「ありがとう・・・父さん。」


俺は、そっと白い布を父さんの顔に被せた。

そして、俺は隣りへ動く。




「母さん・・・・。」


母さんは、本当に優しい人だったね。

その優しさは、俺たち家族を包んでくれた。


俺は母さんから、

優しさって言う、強さを教えて貰ったよ。

ありがとう。


俺、母さんの作ったおにぎりが一番好きだよ。

受験の時も、大会の時も、
いつも力が欲しい時、

母さんはおにぎりを作ってくれた。

不思議とさ、俺元気出たよ。
何でなのか、今でも分かんねぇや。

特別な薬でも入れてた?

そんな訳無いか・・・。


きっと、母さんの気持ちが入ってたんだよな?

美味しかったよ。 
本当に・・・美味しかった。


また・・・食いたいよ・・・。


今・・・俺、力出ないからさ・・・

・・・作ってくれよ。




「母さん・・・ありがとう。」


母さんにも、そっと白い布を被せた。

そして足を動かす。







愛する人の前に立って、

俺は小さく呼吸した。



そして、そっと顔にかかった布を取る。

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