僕が彼女を殺しました・・・。

 それがあの夜だった。

 帰り道、あたしの中の何かが壊れて、
 ぽっかり穴が空いたみたいだった。


 もうこれであたしは、
 浩一を愛する資格はないって思った。



 家に帰って見ると、
 勢いよく浩一の部屋のドアが空いて、

 いつの間にかあたしは浩一にキスされていた。




 あたしは何が起こっているのか
 分からなかった。

 だって・・・

 大好きな浩一が、
 あたしにキスしてるんだもん。


 あたしは何度も願ってた。

 キスして欲しい。
 抱きしめて欲しい。
 触れて欲しい。

 ずっと願ってたことだった。
 


 でも、遅かったんだよ・・・・。


 あたしは浩一以外の人に・・・抱かれたんだから。

 もう、浩一を好きで居ちゃいけないんだから・・・。





 悲しかった。

 どうして今なの?
 何で今なの?

 って思った。




 あたしがやっと決心して、
 翔ちゃんのところに行ったのに。
 
 忘れるために、
 諦めるために、

 行ってきたのに・・・。




 どうして今になって、

 一番欲しかったものが
 今、ここにあるのって思った。



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