僕が彼女を殺しました・・・。

 涙が溢れて、止まらなかった。


 浩一も泣いていたね。


 浩一も・・・

 きっとあたしと同じ気持ちで、
 同じように苦しんでいたんだね・・・。


 ずっと一緒に居たのに、

 あたしは肝心な事が見えていなかったんだね。

 本当に・・・何も分かってなかった。

 ・・・ごめんね。



 浩一が背中を見せた時、

 抱きしめたいと思った。

 ぎゅっと抱きしめて、
 あたしもずっと好きだったって
 言いたかった。


 でも、

 浩一の背中はすごく遠くに感じて、
 手を伸ばしても
 届きそうにないくらい遠くて、


 あたしは動けなかった。



 もう、戻れないんだって思った。

 昨日までのあたしだったら、
 きっと浩一を抱きしめられた。


 でも、

 今のあたしは
 浩一に触れる事すら出来ないんだって
 分かったの。



 その日から、

 あたしはいつも必死だった。




 何かにしがみついてないと、
 何もかもが崩れてしまいそうで、
 壊れてしまいそうで怖かったから。



 浩一も・・・

 そうだったんでしょ・・・?



 出来れば・・・そうだといいな。
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