僕が彼女を殺しました・・・。


しばらくして、涙は止まった。



おっさんは、
まだ少し赤い目を俺に向ける。




「お前は死ぬな。

 お前は生きなきゃだめだ。

 家族の分まで生きて、

 幸せにならんと、家族が泣く。

 分かるだろ・・・?」


「・・・・・はぃ。」






俺はもうこんな事はしない。

こんな事したって、
何も変わらない。


俺は生きて、
しなきゃいけない事があるんだ。



家族のために・・・

千里のために・・・


しなきゃいけない事が。






この“しないといけない事”が
これからの俺の生きる意味になった。


このためだけに俺は、

生きると誓った。






こんな事・・・

千里は望んでいなかったのに・・・


俺はこれが千里のためだと信じていた・・・。




本当に俺は・・・何一つ分かっていなかった・・・。
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