僕が彼女を殺しました・・・。
「浩一君・・・・こんな時に悪いんだが・・・。」
おっさんは近くの椅子に座って、
少し下を向いて話す。
「なんですか?」
「御葬式のことなんだが・・・。」
「・・・・はい。」
「明後日になるそうだ・・・。」
「そうですか・・・。」
御葬式・・・・
明後日か・・・
早いな・・・。
「明日の通夜には・・・出なくてもいいからな。」
「・・・。」
「って、こんな俺が勝手に言っていい事じゃないんだが・・・。今のお前には・・・絶えられんだろう・・・?」
「・・・ありがとうございます。心配してもらって・・・。」
「謝るなや。もっと頼れ。・・・お前は何もかんも1人で考えんな。俺が付いててやるから。」
真っ直ぐに俺を見るおっさんの目は、
すごく温かくて父さんに似ていた。
そのせいで、また涙が出そうになった。
「どうして・・・。」
「何だ?」
「何で・・・・そんなに心配してくれるんですか?」
「俺なんて・・・ただの被害者じゃないか・・・。」
「なのに何でおっさんは、俺のために泣いてくれるんだ・・?」
「何でそんなに優しいんだよ・・・。」
1人になった俺は、他人の優しさが怖かった。
同情なんてして欲しくない。
同情の優しさは・・・
俺をもっと1人だと感じさせるから・・・怖いんだ。